アトピービジネス
| 文春新書111。竹原和彦著。
この人は日本皮膚科学界の人で、無論ステロイド推進派の先生。
アトピービジネスと呼ばれるものが出てきた歴史について、1970年代くらいから書いてある。 |
例えばアルカリイオン水でアトピーが治ったという方法が、NHKの「脅威の水療法」として取り上げられr、大いに反響を呼んだ。この医師が皮膚科学会で発表する直前に報道されたため、そのセッションは人があふれていたそうだが、その医師は「TVで放送された著効例は、シクロスポリン内服薬併用例でした。不正確な情報を流してしまってすいません」というものだったそうだ。この医師はこの後、水療法によるアトピークリニック・グループを展開しているそうだ。
藤沢にある日本オ○バスという会社(多分467沿いのやつ)なんかは、自分の家で温泉治療をさせて、自身の自己免疫力を上げてさせるってものなのだが、3ヶ月とかで100万とかするらしい。しかも前払い。で、「全国アトピーXXの会」とかいうのを発足させて無料相談とかを受け付ける広告を全国紙にだしたり、アトピーの治しかたが分かったというような本を何冊も書いている。
この本はアトピービジネスの本質を知るにはとてもいい。で、この医師が最後に綴っていることが患者が求めているものだと思う。
アトピー性皮膚炎の原因を解明し、さらにすぐれた治療法を確立するのが、結局はアトピー性皮膚炎に対する社会的混乱を解消し、アトピービジネスを撲滅するための近道となることを指摘してしめくくりとしたい。
しかし随所で「たかがアトピーなんてステロイドつけてればいいんだ」くらいの印象を受けさせる。あまりに短絡的過ぎて、患者の気持ちが分かっていないんだなぁ、と感じさせる。患者は根治を望んでいるし、例えばある時期からなった人は、そのある時期以前の状態に戻りたいと望む。しかし医師はそういったものを考慮せずに「一生直らないから、ステロイドつけてアトピーと仲良くしましょう」的な処方しかしない。そういったところが医療不信にさせるひとつの要因であり、マスコミだけが原因とは言い切れない。
著者に「ステロイド依存」という本を読ませて、感想を聞きたいところだ。多分「こんなわけの分からん療法を取り上げるから、余計アトピービジネスが生まれるんだ!」ってような反応だろうなぁ。
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